遠い昔のお話・・・その1

不思議な日記

私がまだ小学生の低学年だった頃のお話しです。

私には30年近く前の話なんだけど、

その頃から未だに連絡を取り合う親友ちゃんがいた。

その子のお誕生会にお呼ばれしたので、

確か…10日か1週間前辺りのお休みに、

私は母と近くのショッピングセンターに

プレゼントを、探しに出掛けた。
 

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そこの中には、何軒か子供が好むお店が入っていました。

いつもKちゃんはそのショッピングセンター内の、あるお店が好きで

よく行くんだと話していたから、私と母もそのお店へ行ってみた。

女の子が好きそうな可愛らしい物ばかり置いてありました。

 

そしたら「あらっ、杏ちゃ~ん!」と聞きなれた声で横から名前を呼ばれた。

見ればKちゃんのお母さんだった。

やはり娘のお誕生日のプレゼントを買いに来ていたそうだ。

 

母とおばさんが長話を始めたので、私は母に言われた予算内で

買えるプレゼントを探して店をグルグル歩き回った。

まだ低学年だから、あのときは可愛い日記帳とキーホルダーに決めた。

決め終わってからも、母達は話しに花が咲き、終わる様子が全くない。

決めた品物は母に渡して、ラッピングして中にメッセージカードを

入れてもらう様に頼んで、私はおばさんに挨拶して、本屋さんに行った。

ためていたお小遣いで買いたい本があったから!

 

結局、母達は本屋さんから戻ってからもまだ暫く話していた。

はなしがやっと終わり、おばさんと別れて私達は帰宅した。

私がおばさんを見たのはその日が最後だった…

 

その日が最後…その理由は、おばさんがちゃんのお誕生日

3日前に亡くなってしまったから。

おばさんは免許がなくて、いつも自転車、バス、電車、徒歩行動。

亡くなったのは朝、通勤途中の横断歩道で左折する大型車に巻き込まれて

ほぼ、即死状態だったらしい(大人になってからちゃんから聞いた)

だから、ちゃんは最後の言葉も交わさずにおばさんの、ご遺体と対面した。

誕生日直前で、誰よりもお誕生会を楽しみにしていた

Kちゃんに訪れた突然の事故だった。

あのときの彼女の気持ちを考えたら、私までボロボロ泣けてきて、

抱き合って泣いたのを今でも覚えている。

 

あの頃は、今みたいにメモリアルホールとか、

葬祭会館なんてなくて、大体が自宅で通夜・告別式だった。

そして隣組(近所)の人や、親戚で自宅を片付けて葬儀の準備をする。

隣組の女性陣は、通夜や、葬儀のお膳のお料理の炊き出しもする。

今では大体がすべて会館任せだけど、以前はどこもそうだった。

明日、片付けに行くことに決まったぞ!と父が話した。

我が家も、両親だけでなく私もいくことにした。

邪魔になるかも知れないけど…

ちゃんのそばにいてあげたくて仕方がなかった!

 

明日行くんだと思いながら布団に入ったが、ドキドキして眠れなかった。

そのときに「杏ちゃん」と聞き覚えのある声で、優しく呼ぶ声がした。

パッと起き上がるとそこには、Kちゃんのおばさんが(お母さん)いた。

話を聞いたら、先日ショッピングセンターで会った時に、

やっぱりお誕生日プレゼントを買いに来ていたそうで、

ちゃんと自宅に準備してあると言う。

それをKちゃんに渡してほしいと言う。

 

でも…おばちゃん…

 

私は子供だから明日は大人の人が沢山居てプレゼントなんて、

見つけられないかもしれない!と話した。

慌ただしい最中に子供がウロチョロしていたら、

邪魔だと怒られちゃうし…

と正直に話したら、おばさんは笑顔で「大丈夫よ」と微笑えみました。

 

プレゼントが置いてある場所は押し入れで、

座布団とか人が集まるときにだけ使う物が入っているから、

杏ちゃんは座布団を並べるふりをして、プレゼントを見つけたら、

それをに渡して頂戴と、すまなそうに頭を下げながらお願いされた。

 

おばさんの告別式がちゃんのお誕生日なんて…

やるしかない!おばさんの最後のお願いだもの。

自分の誕生日が、母親の葬儀の日になるなんて…

あまりにもちゃんが可哀想だ!

そして当日…

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